CB400four NC36 ユーザー車検を受ける 〈ユーザー車検のリスクとは〉
ユーザー車検とは
車検といっても、実は種類があります。
どの車検を受けても大丈夫だが、掛かる費用とやってもらえる事(=自分でやらなきゃいけない事)が違う。
どうせなら自分に合った車検が見つかるといいですよね。
大きくはこの3種類で、ユーザー車検はもちろん3番の事
上にいくほど費用が高く手間はない。
下にいくほど手間は掛かるが、費用は安い。
というイメージでしょうか。
車検そのものは狭義では国が定めた検査と、その合格の事を指しており、
本来、陸運支局に現車を持ちこんで検査を受け、「合格」を貰う事ですが
1番の指定工場だけは、陸運局同等の検査設備を持ち「合格」を出す事ができる。
そのため、1番の指定工場での車検は、その場所で完了できるのに対し、
それ以外の方法の車検は、誰かが陸運支局に現車を持って行く必要がある。
検査自体は案外シンプルな物。
・ブレーキはきちんと効くか?
・ライトが正しい方向を照らすか?
・灯火類やホーンが正しく作動するか?
・排気は規定のきれいさか?
・故障は無いか?
など基礎的な内容の測定、正常性確認となる。問題なければ合格となり、あらたな車検証が発行される。
※実際には、この検査とは別に、定期点検と整備点検記録簿の記載が必要。(自分でもできる)また、定期点検の結果、整備が必要になる場合ももちろんある。
見方によっては、簡単な内容であり、車検を単に通すだけなら誰もがユーザー車検で良いような気がするし、私自身はユーザー車検推進派(?)ですが、案外リスクも高く、誰にでもオススメできる物じゃないので、チャレンジしようと思ってる人に向けて、そこらを書いておきたいと思います。
ユーザー車検のリスク1
まず、検査に通った=安全 では全く無い。
ディーラーなどに車検を頼めば、点検がセットなので不具合や、消耗品の交換なども、ちゃんと調べて必要な事を車検と同時に行ってもらえる。
ところがユーザー車検では、そういった点検も自身の責任となる。
たとえばブレーキパッド。残りが0.1mmで明日にはブレーキが効かない危険な状態でも、今日ブレーキが効けば車検は通ってしまう。
オイル交換も、車検の検査項目には無いため、どんなに汚れていようと車検には通る為、自身での管理が必須となる。
たくさんある消耗品などの交換サイクルを理解して適正な整備を適時行ったり、依頼したり出来る人でないと、かなり危険な事になる。
ユーザー車検のリスク2
とにかく面倒。
一般的に、ディーラーなどの業者に車検を依頼する場合、すべて手続きを業者が代行してくれるので、車検証など最低限の持ち物だけあれば、ほぼ何もする事はなく、簡単。
しかも代車もあったり至れりつくせり。
これがユーザー車検は全て自分でやるので、結構めんどくさい。手間を掛けたくない、という人にはまったく向かない。
〈ユーザー車検やる事リスト〉
・受験前には自分で整備/検査箇所の確認
・必要書類の準備や検査の予約
・テスター屋でのライトなどの事前調整
・受験書類の作成や、印紙・自賠責も手配
・申請書などの記入
・検査ラインでプロ達に混じって自分で検査
こんな事が待っている。
で、極め付けが
・不合格になったら自分で直すしかない!
コレがなかなか手強い。
ユーザー車検のメリットは、安い に尽きるので、不合格になったら業者に出す、では合わない。なんで合わないか?というと、修理費だけの話じゃない。
万一、1箇所でも不合格になったら
2週間以内に再受験し合格しないと、ゼロからやり直しになってしまう。
不合格になり、ディーラーなどに修理を依頼する場合、運良く不合格になった日に駆け込めたとしても、点検が数日後、部品が届くのがそのまた数日後、修理できるのがそのまた数日後、とやってたら、2週間以内に再受験し合格するスケジュールを組むのははっきり言って無理。
つまり、ユーザー車検は不合格になっても、その場で自分でなんとかできるくらいの知識と腕、応用力がないと、どうにもならなくなる自体も想定され、結構ハイリスクと言える。
特に、古い車両などは配線の傷みなどからライトの光量が足りない、などありがち。こういうケースはディーラーなどでは修理自体受け付けてもらえない事が多い。
実際に自分ももう一台のGSX-R のユーザー車検では、ヘッドライトの光量不足で不合格となり、どうすることも出来ず、その場でバッテリーからベッドライトを直接繋ぐ回路を作り、時間内にギリギリなんとか合格した、ということがあった。こういうことは本当に焦る。
GSX-R GK71B ユーザー車検に落ち、光量対策をする - バイク素人が旧車に乗るとどうなるか?実証 GSX-R GK71Bと身の回りの出来事
なので、ユーザー車検は、よほど好きな人か、整備に明るい人、または新しい車両で、故障の可能性が低い人で、かつ
手間より安さを優先したい人にしかオススメできません。
自分はユーザー車検しか選択肢がないが、普通は1.の指定工場が良いと思う。
指定工場での車検
自社で車検を通せる業者。通常は、整備と車検がセットになっており、安くはないけどその日に車検ができ、しっかり整備もしてくれる。なにより、車検落ちて途方に暮れる、という事が無い。
→お金さえ有れば、完全お任せが可能。
指定工場以外の業者で車検
車検自体はユーザー車検同様、その工場の人が、ユーザーに変わって陸運局で車検を受けてきてくれるもの。様々な整備ができる所もあるし、ほとんど整備はせず、通すだけのかわりに安い車検代行のようなところもある。
→自分に合った業者を選べれば安くて安心が可能
自分で全てをやり、リスクもあるかわりに、圧倒的に安い。
→安さのためなら全てを犠牲にできる人向け
ユーザー車検のリスクその3
陸運局は土日やってない=平日しかできない。
私みたいな平日休みなら良いですが、車検の為に有給ってのも、なんだか、、、
結論
リスクはある。それでも、自分でやるのは楽しいし、とにかく安い。バイクの場合ショップに車検を頼めば、安くても6-7万掛かるのが、2万で済むのはおおきな魅力。
良くも悪くもこれがユーザー車検。
この記事見て、なんとなく出来そうだな、と思う人なら絶対できると思いますね。
全然イメージつかない、という人はやめといた方がいいかもしれませんね。